荒汐部屋 目次

[目次を飛ばして記事へ]

その12.大波の意気込み

幕下東51枚目――地位が人を造る,とか言われるように,幕下になって稽古場での風格が一段増し,相撲もまた磨きがかかってきました。

大波 「幕下昇進? まだ博多帯を締めて出かける機会がないから全然実感がないんです。やっぱり博多帯締めたときに幕下の実感ってわくんじゃないですか。場所入りまでおあずけかな。

それにしてもさすが幕下で,周り見たら強敵揃いもいいところですよ。でも,負け越したらすぐ戻っちゃう地位なんで,なんとしても勝ち越して残りたいです。

大波 大波 大波 稽古っすか。ふぅぅぅ・・・。マジタイヘンですよ。相撲やってきてここまでキツイ稽古はやったことがありません。出稽古に行ってたんですけど,重い押し相撲の相手が多くて,まず首がキツイですし,自分は三段目と幕下の稽古に出てるんですけど,向こうは三段目のあとのぶつかりで思いっきりガンガンにやるんです。しかも暑いから,もうその時点でバテちゃって体が動かない。それでも幕下の稽古ももちろん出て,そしたら大きい人とやってさらに疲れて,もうバテバテ。そこでまたぶつかりやって,最後は髷つかんで引きずりまわされて(腰を落としてのすり足の稽古),もう髪の中まで砂だらけです。これ,洗っても洗ってもジャリジャリして取れないんですよね。

大波 大波 だからもう,ちょっとヘトヘトで。あーぁ,もうこんな調子じゃ今場所はどうせだめだろうな・・・,なーんて思ってても実際は終わってみたら勝ち越したりするから,相撲ってわかんないもんですよね。調子が良いときは本番ダメって言う人も結構いるし,本場所で強くなると稽古場でまったく勝てなくなったって人もいるし,調子が悪くなると勝てるもんだってことも良く聞くし,勝負ってわかんないもんですよ。

あ,だんだん本番で緊張するのはマシになってきたから,そういう面ではちょっと進歩してるんじゃないですか。博多帯締めて,気持ちよく場所に行ってきます。

その13(福轟力)へ >

このページの先頭へ