荒汐部屋 目次

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今場所への意気込み (4)

続いては,初めての弟弟子を迎えることになった,剛士と飛騨野。

剛士(三段目東34枚目)

いやぁ,もう2場所連続で負け越してるんで,今場所は勝ち越せるように頑張ります。

うーん,調子は,調子は悪くはないんですけど,良いともいえないです。・・・良くはないかなぁ。

自信がないんですよ。自信がある場所なんてほとんどないんです。相撲の勝負って,実力どうこうっていうより,タイミングで負けるときは負ける,ましてや番付が近くて実力が拮抗してる場所の相撲は,もう先がまったくわかんない。10回のうち1回でも勝てる相手だったら,勝てる可能性がいつでもある,それが相撲の勝負だと思います。だからいつでも一瞬でも気を抜くわけにはいかないんです。だからもうどんどん気持ちが張りつめてきて,持たなくなってきます。体調はいいんですけど,気がもたないんです・・・。

でも,大阪は人が優しくて癒されます。人が丸いというか,距離を置かないやさしさって言うんですか,東京とかだと「がんばってね」っていう踏み込まないやさしさだけど,こっちは一歩踏み込んでくるやさしさですね。「勝って当たり前やろ,4勝?アホ言え,5勝,6勝,いや7勝でも8勝でもしてこんかい」って。どっちもイイけど,この踏み込んだ感じに触れると,大阪に来たなぁって実感してホッとします。

大阪の皆さんの声援に支えてもらって,なんとか千秋楽まで気を引き締めてとりきたいです。

写真果敢に兄弟子にぶつかっていく。

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飛騨野(序二段東79枚目)

先場所負け越したんですけど,番付上がっちゃいました。これで負け越して番付が上がるのは2回目なんですけど,2回とも大阪。・・・なんだか複雑な気持ちです。

もう今場所は,ものすっごく細かい怪我で全然稽古ができなくてものすごく不安です。稽古初日にやっちゃってずっと稽古できませんでしたから。ただ治すだけです。骨折した,とか病気で寝込んだ,とか派手なのじゃないし,いくらでも身体は動かせるのに,まさか稽古だけできないなんて・・・で,もどかしいです。こんなに稽古休んだのは初めてなので,とにかく不安です。だからこっち来てからしたことといえば,稽古場作ったり,準備したりしただけですね。

あ,稽古が始まる前には,光さん(荒獅子)とおかみさんと京都に行ってきました。京都は自分の祖母が生まれで,父が仕事で二条城の近くに住んでたことがあったので,富山以外では一番馴染みのある場所なんです。ここにアレがあったなぁみたいな懐かしい気分になれました。それにしても三十三間堂は圧巻ですよね。優雅な千手観音坐像はもとより,やはり千体千手観音立像のインパクトはすごいですよね。よくもまああれだけ作ったものです。一体一体の個性を見るだけでも一生かかりますよ。

富山から新弟子が入るってことで,自分と何か関係あるのかと思ったら,まったく関係ないみたいで,富山出身が荒汐部屋に集中してるのはただの偶然みたいです。入門の問い合わせの電話での応対は,基本全部自分がやってたんですけど,出身を聞いたら富山だっていうからビックリしました。でも逆に,これも縁ですね。自分が兄弟子から教えてもらったことを,今度は自分が教えなきゃなと思ってます。

不安な場所やけどぉぉおぉ,がんばってくるちゃ。

写真ただひたすら四股を踏み続ける。

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