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荒汐部屋

2008-10-02更新

九月場所を終えて

荒獅子が序二段全勝優勝を飾った平成20年九月場所。熱戦が終わるや否や,秋の風が吹いてまいりましたこのごろ。恒例となりました,場所後の各自の感想を聞いてみましたので,どうぞご覧ください。

今場所も,場所中・場所後,お電話・メールや掲示板等,世界各地から絶大なご声援をいただきましたこと,この場を借りて御礼申し上げます。

蒼国来 (4勝3敗:幕下東10)

勝ち越せましたが,ハラハラとご心配をおかけする場所になってしまいました。

苦戦の理由は自分でもよくわかりません。前半はだいたい思い通りの相撲が取れて,3勝1敗で来たんですが,そこからなぜか連敗してしまって。。。すっかり5番は勝つぞ,という気持ちでいたので,こりゃヤバイぞ,って思い出してました。でも,勝つ自信だけは失わなかったです。

内容的な課題としては,とにかく立ち合いにつきます。ほとんど立ち合いだけに意識を集中していた感じです。なかなかしっかり納得のいく立ち合いができていません。中でも,6番目かな,首が入っちゃったようで,電気が走ったのがあって,うまく当たれてない証拠です。しっかり当たれていたら決してそんな変な痛みはありませんから。

場所中もかなりビデオを繰り返し見てたんですが,今から来場所あたりそうな人の相撲を徹底的にビデオでチェックして,九州に入ろうと思います。

もう少し勝ちたかった,勝って来場所上位の人と取りたかった,そんなところです。

赤井 (4勝3敗:三段目西13)

連敗スタートでしたが,どうにか勝ち越せて,本当にうれしいです。実は,場所前は,番付を見て,周りが幕下経験者ばかりでちょっとかなわないんじゃないかと,あきらめかかってました。そうしたら実際連敗スタートで,もう完全にあきらめたら,逆に変な力とか気負いが抜けて,うまくいきました。この地位での勝ち越しは本当にうれしいですね。

それにしても荒獅子さんの優勝にはビックリしました。自分の勝ち越しよりうれしかったです。本人はプレッシャーとかというより,浮かれてた感じでしたけど,そのくらいのほうが力を発揮できるのかな。

場所前の稽古はかなりできました。この稽古が勝ち越しにつながったと思います。ただ,稽古をやりすぎると,どうしても首に負担がかかってしまうので,あまりしすぎてもいけない。とはいっても,稽古はすればするほど調子はよくなる。ん~,ジレンマですね。

荒獅子 (全勝優勝:序二段東81)

優勝だなんてまったく予想してない話で,自分が一番ビックリしてますよ。考えたことさえないですもん。優勝もうれしいけど,雪駄が履けるのが何よりうれしいです(※力士は三段目に上がると,履物が下駄から雪駄に変わります)。7勝した後も,優勝はほかの人だろうとしか思ってなかったので,他人事でした。そうしたら,全勝の人らが負けてしまって,もうビックリしましたよ。え?俺?って。

優勝の原因は,ネコです。初日に部屋の前に普段見ないネコがいたんです。随分人に慣れてるから,誰かの飼い猫みたいでした。弱っているようだったので,いったん預かって,動物病院に連れて行ったら,お医者さんが「捨てられた猫のようですね」ってことだったので,部屋においておくことにしました。そうしたら,招き猫になったみたいで。凶暴なモルとは違っておとなしいので,かわいらしいですよ。

調子がめちゃくちゃよかったとか,そういうことはないんですけど,6番勝ったときには,ここまできたらもう1つ,と思いました。部屋のみんながすごく応援してくれたんで,その気になれたのが大きいかな。

(※詳しい話は,荒汐新聞でロングインタビューをお届けいたします。)

大澤 (2勝5敗:序二段東96)

ダメでした。ヘンな負け方が続いてしまった。ウソみたいに勝てませんでした。この地位なら十分に勝ち越しを狙う場所だったんですが。自分,連勝・連敗がすごく多いんですが,そういう気持ちの弱さがモロに出てしまいました。あんまり負けるもんだから,ほかの人にも「怪我したの?」「体の具合が悪いの?」とか心配させてしまいましたが,体調はいたって快調です。内海さんに力を吸い取られたのかなぁ。冗談にもならない。

ここまでひどい不甲斐ない場所は久しぶりな感じがします。1年ぶりくらいの感覚。あーあ,来場所は序ノ口か。

五十嵐 (4勝3敗:序ノ口東6)

とにもかくにも内海さん(荒獅子)です。カッコよかったですね。全勝とかインタビューとか表彰式とか,もうすべてがかっこよかった。4連勝したあたりから燃えてきてオーラが出てました。

自分は1勝2敗の出だしだったんですけど,内海さんが蔵前にある相撲の神社に連れて行ってくれて,そうしたらその後お陰あって3連勝,勝ち越せました。内海さんにパワーを分けてもらった感じです。

今場所はちょっと風邪をひいたくらいで,珍しく久しぶりに体調がよかったので,それもよかったです。

松峰之山 (3勝4敗:序ノ口西5)

前半負けが込んでしまいましたが,ようやく盛り返してきたと思って調子が出てきたのに。最後は前に出て土俵際まで持っていったんですけど,足が出てなかったせいで,なんでかわからない変なスイッチが入っちゃって,バタンと落ちてしまい。。。悔しいです。

ほとんど一緒に入った光(荒獅子)が優勝したのは本当に驚きました。正直,かなり悔しいです。複雑な気持ち。

それにしてもちょっとここで3連敗はありえないでしょう。気持ちに迷いがあるとダメですね。気持ちを入れ替えて目標を目前に据えて一心に取り組め,ということで,心機一転,四股名も変えて出直します。

寛龍 (2勝5敗:序ノ口東13)

なんとなく気分的に調子が悪かったです。なんていうのか,こう,ガーっと出しづらかった。うまく言えませんが。なので最後の不戦勝はありがたかったです。

そんななので,印象に残っているのは,唯一,立ち合い向かっていったら,もう相手の大きな掌が目の前にあって,本当にビックリしたことくらいです。来場所までに気分も乗ってくるように稽古ができればと思います。

兄弟子の言うことをきちんと聞いていなかったせいで,3日間ゲーム禁止になったのもきつかったです。ぼーっとしてるわけではないのですが,ちょっと忘れてしまって。こういうことがないように,気をつけねば。

力山 (3勝4敗:序ノ口東14)

なんとも言えない場所。せっかく白星スタートだったのに,4連敗って。。。完全に自分の気持ちの問題。気持ちの弱さ。相手は同期ばかりで,教習所ではいつも勝ててた相手なのに。相手も強くなってた。

ヤバイくらい思い出すのは,超ベテラン。38歳の笠力さんとあたったこと。なんていうか「38歳のベテランとやってるんだ」っていうのはヘンな気持ち。不思議な感覚。ちょっと感じたことのない気分。何ていうんだろう?

今場所は本気で勝ち越す気だったのが,こういうことになったんで,来場所は何が何でも絶対5番。そのためには,体重が軽すぎます,今のままじゃ。ぜんぜん増えないっす。

いい兆しとしては,今場所はじめてつっぱれたこと。2回勝てて,本場所でのつっぱりの感じがわかったです。ちょっとちがうんですよね,場所と稽古では。こう単に突っ張って突っ張りきるだけじゃなくて,リズム的なものっていうか。場所のほうがそういうリズムが重要になってくるみたいで,軽くポンポンポーンと突ける印象です。稽古場だと力ずくで突き押すって面が強いけど。

悪かったのは,相変わらず飛んでしまったこと。絶対飛ばないぞ,って思ってるのに,気づいたら飛んでるですよね。これで通算12回目です,数えてみたら。

とにかく,飛べないくらいどっしりとした重い体と立ち合いが欲しいです。自分で飛ぶんじゃなくて,相手が吹っ飛ぶようなね。

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