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荒汐部屋

2010-01-15更新

早川様より:祝十両昇進!
エンさんに密着
「蒼国来関のありふれた一日」

昇進を決めた昨年十一月場所から,早2ヶ月。昇進会見・番付発表・昇進披露パーティーと立て続けのお祝い事であっという間にただいま初場所真っ最中。山あり谷あり,精一杯の土俵が続いております。

この場所に向けて,連日稽古に励んだ蒼国来ですが,その模様をおなじみ早川様が密着取材してくださいました[参考記事]。関取としての,そして荒汐部屋の部屋頭としての,蒼国来の素顔を存分に,愛情たっぷりに,レポートしてくださいました。普段,見過ごしてしまいがちな,荒汐部屋での毎日の様子をまざまざと克明に記していただきましたので,皆様ぜひご覧くださいませ。

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2010-01-15更新

前編

ついに,ついに。悲願の十両昇進を果たした,我らがエンさんこと「蒼国来関」。ここ数年「荒汐部屋初のお関取」への期待を一身に受け,重圧で押し潰されそうな日々を,本当によく跳ね返したなぁ,エンさん。心から祝福したい気持ちと,応援している僕らの夢を叶えてくれてありがとう!と,お礼を言いたい気持ちです。

さて,お関取となったエンさんは現在どのような日々を過ごしているのでしょうか。また,お関取が誕生した相撲部屋の生活には,どのような変化が生じたのでしょうか。「蒼国来関のありふれた一日」に密着させて頂きました。

起床

関取1名,弟子総勢13名といよいよ相撲部屋らしくなってきた,荒汐部屋。「いびきの大合唱」も益々相撲部屋らしくなってきた大部屋の横で,エンさんは一人個室でスヤスヤ安眠。そうです。番付発表の日から,エンさんは個室生活が始まったんです。

ムギ ところで,相撲部屋の朝というと口うるさい兄弟子が「おい,いつまで寝てるんだ,早く起きろ。。。」と,新弟子たちを叩き起こして回る光景が「ありがち」かと思いきや,荒汐部屋では,そういった光景は見られません。「いいかお前たち,土俵に上がれば同じ部屋の力士もライバルなんだよ。強くなりたかったら人より早く起きて稽古する。『朝を制するものは,人生を制する』って言うだろ」なんて,親方の教えがあったのでしょうか(ちなみに,この朝のお目覚め一番手はムギ:写真)。まだ外は薄暗い5時半頃から自主的に目を覚まし,すばやく布団をたたんで,稽古の身支度をします。この間,無駄口は一切発しません。緊張感漂う時間です。無言のまま廻しを締め,まだ肌寒い土俵に臨みます。あまりに皆無言なので「スー,スー」という力士の腹式呼吸がやたら大きな音に聞こえます。

蒼国来 そして7時頃。まだ肌寒い土俵で,幕下以下の力士たちが四股・腰割りなどの基本動作をしていると,エンさんがゆっくりと階段から降りてきました。土俵から「オーッス!」(おはようございます!)と,大きな声。礼に始まり,礼に終わる相撲界では,目上の力士や親方への挨拶は基本中の基本であり,大事な大事な儀礼なんですね。浴衣姿で,コクリと挨拶に応えたエンさんに関取の風格が漂う。付け人の荒獅子が急ぎ足で駆け寄り,エンさんは関取の象徴である白廻しを着用します。

蒼国来最近テレビ中継で「蒼国来は,体が一回り大きくなりましたねぇ」というコメントが頻繁に聞かれますが,実際間近で見ると筋肉がパンパンに張っていて,蛍光灯の下を歩くと首から肩がツヤツヤに光っています。

蒼国来この日は,時津風一門連合稽古に参加[取材記事]。まずは荒汐部屋の土俵で軽く四股や伸脚など準備運動をした後,いざ出発。さぁお関取,付け人を従えて,タクシーで。。。と思いきや,移動手段は相変わらず自転車。「まだまだ顔じゃないっすよ」と,本人はいたって謙虚なエンさんのままだ。

稽古後

また自転車で,荒汐部屋へ。途中,隅田川の橋の上で日差しを浴びて「キモチいい~」。充実した稽古に満足している様子。「私ここから見る風景が大好きなんですよ。どこまでも続いていく感じが内モンゴルを思い出すんです。たまにここで30分くらいボーっと眺めてるときだってあるんですよ」と話してくれました。

蒼国来 部屋に戻ると,泥だらけの力士たちがエンさんの帰りを待っていました。もちろん,関取より先に風呂に入ることが出来ないからです。

エンさんが風呂に入っている頃,ちゃんこ場では,昼のちゃんこの準備が着々と進んでいました。

関取のちゃんこ

蒼国来 円卓に座布団が一枚。荒汐部屋には,親方専用の座布団の他,数十枚ものお客さん用座布団がありますが,力士の中でこれを使用できるのはお関取だけです。

(編集者注:荒汐の座布団もありそうなものですが,荒汐部屋では,ちゃんこの時間は気持ちよくジャンジャン食べる時間でありたいとの考えから,稽古場の続きで気持ちをピリピリさせかねない荒汐は,原則同席しないことになっています。)

蒼国来 エンさんが座ると,新弟子の大波が本日のチリ鍋をどんぶりについで,給仕しました。早速「こういう鍋の時は,先にポン酢と薬味を入れてから,具を入れるんだよ」と指導。長年部屋頭であり,一番の兄弟子として荒汐部屋を引っ張ってきているエンさん,後輩力士への指導はすっかり板についています。高圧的でもなく,「イチャモン的」にも聞こえないところが,エンさんの人柄ですね。

さて,関取のちゃんこというと,関取の食事が済むまで背後で給仕の力士がじっと待機しているという光景をテレビで見たことがあります。荒汐部屋では,いったい誰がその役になるのだろうかと思って見ていると,エンさんから「さぁ,皆も食べなさい」と,全員一緒に食事をするよう促しました。この辺りは,部屋それぞれの方針があるかと思いますが,少なくとも自ら「関取らしい待遇」を他の力士に押し付けないあたりが「エンさんらしい」ですね。エンさんはおかわりの度に,鍋やおひつの近くにいる力士を呼んで,「廣瀬,鍋もう一杯」「大波,ご飯もう一杯ついで」といったスタイルです。

ところで,本日の鍋は差し入れで頂いた「ハタハタ」を丸ごと煮込んだ「ハタハタのチリ鍋」。来日前は魚を食べたことがなかったというエンさんですが,今では好き嫌いなく,なんでも食べられるそうです。ハタハタの卵は,プチプチとしてちょっとクセがありますが,これもOK。プロテインなどのサプリメントは一切摂っていないとのことなので,まさに「ちゃんこの味のしみた」お相撲さんになってきたんですね。

「好きなちゃんこ鍋」について聞いてみると,「日本に来たばかりの時は,モンゴル料理に近い塩炊きが好きでしたが,今一番好きなのは,味噌炊き[参考記事]です。特に味噌炊きにうどんを入れて食べるのが好きです。だいたい味噌炊きを昼に作った夕方はうどんになるので,そんな時は『あぁ夕方は味噌炊きのうどんだなぁ』と思って,夕方に出掛ける用事を作らないようにすることもありますよ」と教えてくれました。

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