荒汐部屋 目次

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平成26年一月場所を振り返って(ダイジェスト)[2]

三段目・序二段勢

荒篤山・寛龍以下,三段目・序二段勢への荒汐のコメント

これだけの相撲の歴史の中で,先人たちがきちっと作ってくれた相撲の基礎というものがあります。そういった相撲の基礎というものをしっかり守って,一生懸命稽古をすれば・・・という思いです。うちの部屋の者は,も~あちこち怪我をしておりますけれども,これは私の指導の至らない所もありますが,本人たちも自覚して,相撲の基礎という物をしっかりとやって,差したらかいなを返す,足は膝をきちんと開く,そうしたら怪我も少なくなる。そういうことをしっかり学んで,それで怪我をしない体を作ってから幕下に上がっていってもらいたいと思います。あまりにも成績が悪いので,成績のことは言いません。

力山(序二段東11:4勝3敗)

いや,マズイっしょ。これで勝ち越したら。でもこれが力山。運で勝つのも力山。うっちゃりに勇み足に勇み足。しかも物言い3回っすよ。ほんとにマジムリって思ってました。で,まったく相撲とらないで結局勝ち越しって,いったい。場所前は全敗覚悟,1勝5敗くらいで7番目迎えられたら御の字くらいで行ったんだけど,わけわかんないうちに。こんなんで三段目はマズイっしょ。

ま,自分の仕事は付け人なんで。今場所は内海さんと初期メン(バー)で関取について,なんだか懐かしい気持ちになりました。不思議な感じっすね。

力山と式守一輝(幕下昇進を果たした行司の式守一輝と。本人ら曰く,あまり絡まない二人の珍しい2ショット。)

荒獅子(序二段西34:4勝3敗)

(別企画で後日お伝え。――荒獅子最後の一番,花道から花道まで,感動のスライドショーもぜひご覧ください。)

廣瀬(序二段東37:4勝3敗)

今場所振り返ってみて,やっぱり一番印象に残ってるのは,于(荒行志)が怪我した一番を土俵下で見てたことですね。自分,部屋の力士が怪我したのを土俵下で目撃したの,これで3回目なんすよ。リキさん(力山)と吉田さん(突光力)と,今回の于。

荒行志于の相撲は,于が投げて軍配上がったんですけど,きわどい相撲だったんで,物言いがついたんすよ。審判員が土俵で協議しながら,「ボキって聞こえた!ボキって聞こえた!」って言ってたのが聞こえて,「はい,自分にも聞こえました」って心の中で思ってました。結果的には軍配通り于が勝って,取り直しにならなくて,良かったっす。于は松葉杖生活になったのに,次の相撲に出ようとしてたんすから,呆れるというか,あいつの精神力も大したもんです。

今場所は内海さんが関取の付け人をしてましたので,15日間中,11日自分がちゃんこを作りました。なるべき飽きがこないように,11日間,鍋の味はすべて違うものを作りました。あと,なるべく内海さんが作らない物を作ろうと思ってます。例えば,パスタだったら,内海さんはペスカトーレみたいな魚介系が多いですが,自分の場合はカルボナーラみたいなチーズ系で。皆に好評だった一品料理は,ポテトチーズですね。チーズにポテトを包んで小麦粉まぶせて揚げるんです。実はこれ,最初は芋餅を作ろうと思って始めたのが,結果的にポテトチーズになったんですけど。ま,皆が喜んでくれたんで,結果オーライでした。

今場所は,自分の星の並び ○●○○●●○ が内海さん(荒獅子)と全く一緒だったんですよ。内海さんは,入門は5年程早いんですけど,自分と同い年なんです。あちらもちゃんこ長,自分もこれからちゃんこ長で。なんだか,縁を感じますね。

自分はなんとか親方の定年までは,現役で頑張りたいです。

廣瀬(決意も新たに。)

飛騨野(序二段西81:6勝1敗)

いや~,びっくりですよ。こんなに勝てるなんて。稽古場で勝てるようになってきたっていう実感はないし,先場所は勝ち越さなきゃいけない番付で負け越して絶望の淵にいたし。ま~,今場所勝てた要因で唯一思いつくのは,アレくらいです。

アレって言うのはですね――4勝1敗で勝ち越せた時は,「次はそろそろ負けるかな」って気持ちで一杯でした。ちょこちょこと勝ち越し報告をしてた時,ある人から「4勝1敗?ふ~ん。このまま6勝しろ!」と言われて,火が付きました。自分の場合,基本打たれ弱いので,叱咤激励はまずだいたい凹むんですけど,なんか「やってやろうじゃねぇ~か!」って気持ちになったんです。5勝,6勝の時は,相手が軽く感じたくらいです。本場所で初めて稽古場以上の力が出た感じです。やっぱり,気持ちの部分って大きいんですね。

廣瀬: 「6番勝ってからというもの,飛騨野は調子にノリまくってます。」

あのですねぇ・・・,自分的にはそれに反論する気力も起こらないくらい,もう来場所のことが不安で不安でしょうがないんです。たぶん序二段の一桁くらいの所まで上がるでしょうから。それくらいの番付の人たち,稽古場では全然勝てないんですよ。部屋の皆は,「来場所の飛騨野は2つ勝てるかな,いや1つかな,いや,全敗もあり得るな・・・」ってしきりに不安を煽ってくるので,お陰で不安はますます募るばかりです。でも,「自分は強くなったんだ!」って,勘違いでも,思い込みでも,思い上がりでも,もうこの際なんでもいいですから,そういう気持ちで稽古頑張ろうと思います。

恒例の「締め」は,調子に乗って,「二刀流」でいいでしょうか?「俳句の飛騨野」と「歴史の飛騨野」の二刀流,で。

まず,「俳句の飛騨野」ですけど,これは内海さん(荒獅子)の引退に一句。

光る汗 冬の両国 獅子奮迅

(ドヤ。)次に「歴史の飛騨野」で自分の相撲を振り返りますと,今場所は「武田の騎馬軍団」と言わせて下さい。え?いつの武田軍?そうですね,長篠の戦いでは滅亡しちゃうから,三方ヶ原の戦いの武田軍,でお願いします。思わず徳川家康もびっくりして,お漏らししちゃうような,怒涛の武田の騎馬軍団で。

飛騨野(こんなに気持ちのいい千秋楽は初めて。)

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序ノ口勢

突光力(序ノ口西15:6勝1敗 優勝)

(本人コメントは,今日の一枚で。)

突光力(誇らしく優勝を皆様にご報告。)

突光力への荒汐のコメント

三段目で怪我をして,序ノ口に落ちて優勝なんだから,なんだ,と思う方もいるかもしれません。しかし,優勝となると,「実力」と「運」と,すべてが揃わないと出来ないものなんです。まぁ,突光力の場合ほとんどが「運」なんです。なにせ初日に負けていますから。普通,序ノ口っていうのは,全勝で優勝するんです。初日に負けて,気が楽になって,あと全部勝って6勝して。で,気がついたら優勝してたっていう。ですから,実力とすべてが整わないと,なかなか優勝は出来ないんで,とにかく大変なもんだと思います。おめでとう!

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