荒汐部屋 目次

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平成29年五月場所を振り返って

(公開が遅れましたことお詫び申し上げます。)

若隆景の三段目優勝というおめでたい結果もあって,100名を超えるお客様にご来場いただき,盛大に打ち上げることができた平成29年大相撲五月場所千秋楽の荒汐部屋。全力士のコメントを,恒例早川様のインタビューでお届けいたします。まずは,師匠・荒汐のご挨拶から。

師匠・荒汐(40勝45敗:4割7分,勝ち越し5名)

本日はお集まり頂きありがとうございました。

今場所は見ての通り,成績は良くありませんでした。勝ち越しが5人ですが,ほとんどが先場所負け越して番付落としての勝ち越しですから。ただその中で寛龍が先場所6番勝ちまして,今場所4番と勝ち越しましたので,まぁ,評価してやってもいいかな,と(拍手)。

え~,そして皆さんご存知の通り若隆景が七戦全勝で優勝しました。優勝というのは実力だけでは出来ません。運,実力,そういった要素がみんな噛合わないと出来ません。たとえ実力があっても横綱でも負けることはあります。そういった事で,本当によく頑張ってくれたと思います。この三兄弟は,これでやっとスタートラインに着きました。長男・次男・三男,やっと幕下のラインに立ちましたのでここからが「ヨーイドン!」ここから皆が切磋琢磨して,「三本の矢」となって欲しいと思います。そして来年の初場所あたりには結果を出しているヤツがいるかもしれない。と同時に,背中流しをしているヤツがいるかもしれない。私はそうなる事を期待しております。皆が皆一緒に上がることはまずない。私は依怙贔屓はしません。あとの二人が付け人をやれと。

そんなことで,皆様からも叱咤激励して頂きまして,盛り上げて頂きますようお願いをしまして私の挨拶とさせて頂きます。

綿谷 (序二段西84:全休)

来場所を見ていて下さい。

場所前,膝の内側の靭帯を痛めてしまいました。4月後半の稽古中に倒れた時に膝が入ってしまう形になってしまって。そのまま2週間は動く事が出来ず,休場することとなってしまいました。最初は膝が固まってしまっていたので,リハビリからのスタートでした。

今はもう腰割りもすり足も出来ます。来場所には大丈夫です。

好きなおでんの具はジャガイモです。

突光力 (序二段西51)4勝3敗

大丈夫じゃい!!!

初日の相撲は…あんなに燃えたのも久々だったすよ。だって,相手は入門三場所目でまだ髪に鬢付油も付けられないような入りたてっすよ。とにかく体密着してゼッタイ離れるもんかって前に出て勝ちました。どんなもんじゃい!!

3勝3敗で迎えた最後の相撲は,これまた運悪く,150キロくらいの相性がめちゃめちゃ悪い相手でした。低いんで,つい引きたくなっちゃう相手なんすよ。わぁー嫌なのがきたーって感じだったすけど,とにかくぶちかましてゼッタイ引かない!って心に決めて臨みました。結果は稀に見る快勝の相撲。どんなもんじゃい!!

まぁ,これまで腰やら肘やら足首やらあちこち怪我は絶えないっすけど,もう大丈夫じゃい!!

好きなおでんの具は大根じゃい!!

廣瀬 (序二段東30)4勝3敗

悪い流れは断ち切った。今度は新たなパワーを見つけてきます!

先場所は二連勝の後,五連敗。そして今場所も二連勝スタート。次に負けて,2勝1敗。まぁ,まだこれくらいはいいじゃないですか。その次の相撲は最初自分に軍配上がったんすけど,物言いがついて結果,勇み足があったってことで負けました。2勝2敗。ちょっとヤバイ。次の相撲は土俵際まで押し込んだんですけど,「勇み足」の悪夢が頭をよぎってしまってあと一歩が半歩くらいしか出ない感じで,結果逆転負け。二連勝の後,三連敗。ヤ・ヤバイ,先場所と全く一緒じゃないか!でも次の相撲勝って3勝3敗になった段階で,勝ち越しはオレのもんだ,と。「3ー3の廣瀬」をナメんなよ!と自分に暗示をかけて,勝ち越しで終える事が出来ました。

こうして先場所の悪い流れを断ち切ることが出来ました。場所後は関取に付いて初めて内モンゴルにも行ってきます。内モンゴルの美しい星でも見ながら「新しいパワー」を見つけて戻ってきます。

好きなおでんの具はひら天です。

飛騨野 (三段目東92)4勝3敗

今場所は「第二次上田合戦」?そ,そんなぁ!

場所前は春巡業に行ってました。それで部屋に戻ってからの稽古はしばらくついていけてない感じでした。巡業では稽古の時間が短いですし,土俵に対して力士の数が多いので,なかなか相撲が取れないんですよね。巡業では一日平均5番くらいですね。部屋の稽古では30番~40番くらいは取ります。ただ最近部屋の稽古では,3年前とかには全然勝てなかった兄弟子とかにも勝てるようになってきたりして,その辺りが自分の中で次への糸口になってるところもあります。

今年の初場所に91枚目で初めて三段目で勝ち越すことが出来たことを考えたら,今場所の位置(92枚目)でも絶対勝ち越さなきゃいけない場所だと思って臨みました。二連勝で幸先の良いスタート。そこから三連敗で崖っぷち。後半盛り返して勝ち越せました。お陰様で,三段目で二度目の勝ち越しです。え?じゃあ今場所は「第二次上田合戦」ということにしよう,ですって?徳川軍二度目の撃退!にかけてですよね。いや,でも待って下さい。ということは自分は真田軍ですか?そ,そんなこと言ったら全国の真田ファンにひんしゅくを買ってしまいますよ!!!

好きなおでんの具は巾着です。

寛龍 (三段目東72)4勝3敗

ありがとうございます。ニヤニヤ。

(親方スピーチで名指しで褒めてもらって)記憶にありませんね,ああやって親方に褒めてもらったことは。まぁ,これまでの自分の成績のせいですけど。6勝1敗の次の場所でボロ負けすると思ってたんでしょうね。まぁ,自分も上がりすぎちゃったかなと思ったんですけど。結果勝ち越せて良かったです。親方に褒めてもらった時は思わず顔がニヤけてきそうだったのであえてブスッとした顔をしてました。嬉しいです。一番認めてもらいたい人ですから。ニヤニヤ。

好きなおでんの具は餅巾着です。

常川 (三段目東70)1勝6敗

力不足を思い知らされた場所になりました。

先場所大勝ちしてしまって(7戦全勝)番付が上がり過ぎたんでしょうかね。出来たら勝ち越ししたかったんですけど,結果は1勝… やっぱりこの番付の辺りの人達は立ち合いの強さ,攻めの早さが全然違います。自分の立ち合いの当たりから自分の流れで取れていても跳ね返されてしまいました。完全に力不足です。

でも自分には「立ち合い強い当たってひたすら押す」この相撲しかありません。それ以上もそれ以下もない。これからもしっかり稽古して,もっともっと押す力をつけていきたいと思います。

好きなおでんの具ははんぺんです。

若隆景 (三段目西63)7勝,優勝決定戦に勝ち三段目優勝

ありがとうございます。お陰様で三段目優勝することができました。

プロの立ち合い,支度部屋の雰囲気に慣れてきたことが大きかったんだと思います。優勝決定戦もいつもの感じでいけました。はい,特に緊張もしなかったです。関取にも「いつも通りの相撲でいけ」って言ってもらってました。土俵に上がった時は「お客さんが一杯いるなぁ」とは思いましたけど,それで緊張するわけでもなくテンション上がるわけでもなく。自分は元々すごいあがり症だったんすけど,大学四年の経験でその辺は変わったところだと思います。相手の村田(大学同期)とは試合での結果は良くないんすけど,稽古場では五分五分だったので,あまり意識することなく,とにかく思いっきり当たって押していこうということだけ考えていました。結果的には今場所一番の相撲だったと思います。期待が大きいという実感はありますので,期待に応えたいと思います。

好きなおでんの具は白滝です。

福轟力 (幕下西55)3勝4敗

今の自分に必要なのは「突破口」。

全体的に相撲は良くなってきてると思うんすけど,それが本場所の結果として表れないんすよね。勝ち越しがかかった相撲になると,最近やけに緊張するんすよ。引かなくてもいい場面で引いちゃう。無くしたいんだけど,体が勝手に動いちゃう。それで自分から大勢悪くしてる部分もあるんす。何かを変えなきゃいけない。

改善の余地が一杯あるのは分かってるんすけど,漠然としてるんすよね。稽古を精一杯やってないわけじゃないけど,全然甘いんだと思います。ガムシャラだけでもしょうがない。克服すべき課題を具体化して,一つ課題をクリアしたら次の課題に…その積み重ねだと思うんすよね。

え?今場所見つかった課題っすか?そこが見えてないんすよ。どこから具体的に手をつけたらいいのか見えない。きっとそれが見つかったら突破口になるかなと思うんすけど。もしかしたら白星が一番の「突破口」になるかもしれない。ここ五場所,3勝とか4勝しかしてなくて,大勝ちがないんすよね。大勝ち出来たらそれが何かの「突破口」になるのかもしれない。

好きなおでんの具はかまくらはんぺんです。

若隆元 (幕下東39)3勝4敗

体が軽かったっすね。稽古不足。

場所の直前に気管支炎と喘息になっちゃったんすよ。全然稽古場に降りてなくて,夜中の三時とかに一人で「ゲホゲホ・オエー!!!」ってやってるもんだから皆起きちゃって「大丈夫?」って。申し訳ない。

まぁそんなこんなもあって今場所は全然自分の相撲が取れなかったっすね。なかなか体重も増えない。これからウエイトトレーニング取り入れたりしてなんとかしなきゃいけないことなんすけど,やっぱり脱臼の時に4ヶ月くらいまともな稽古が出来なかったのがまだ響いてますね。自分得意の左前廻しを取っても,引き付けるより先に腕が持ってかれて伸びちゃうんすよ。腕力の低下ってだけじゃなくて,腹筋・背筋,全身を使った引き付ける全体の力が落ちてるんすよね。

親方が言っていた通り,来場所は渥(若隆景)が幕下に上がってきてスタートラインです。って言っても,自分が一番下になりますからね。渥は思ったより早く上がってきました。これからちゃんと長男の威厳を見せたいっすね。

毛利隆元という武将は立派な武将だったと聞いてますから,自分もポジティブに行きたいですね。ただ,こないだ場所の帰り道で,「あ?剛士さん!?」(となりの人が)「違うわよ,最近名前変わって元春さんになったのよ!!!」って。・・・微妙!!!心の中で「あの,~タ・タカモトです…」って。まずは四股名覚えてもらえるようにガンバリマス…。

好きなおでんの具はこんにゃくです。

荒篤山 (幕下西37)2勝5敗

「一歩」なんすよ。最初の一歩,最後の一歩。

自分の相撲はひたすら押すこと。理想は三秒で押し出す相撲。廻しは取らない!!!今場所は土俵側の最後あと一歩足が出てれば押し出せたのに…って悔しい相撲が何番かありました。初日も二日目も最後の相撲もそうだったすね。でもこれは土俵際の一歩の問題って言うより,むしろ立ち合いの第一歩の問題の方が大きいんすよね。立ち合いに圧力が伝わってない。だから相手が残る余裕を与えてしまうし,それでこっちも最後の一歩で押せない。立ち合いでバーッと押して行ければ相手も受けるばっかりになって最後のポーンと出せるはずですよね。だから立ち合いの稽古をもっともっとやらなければいけないんす。

バーンとガーンと,ひたすらに前に前に!!!好きなおでんの具は牛スジ!!!

若元春 (幕下西9)3勝4敗

今場所のキーワードは「スイッチ」。

初日はスイッチがまだ入ってない感じで,力が出ないまま負け。二番目に良い感じでスイッチが入って快勝。三番目は前回負けた相手にスイッチ入り過ぎて負け… この相手には前回「絶対勝ってやろう!」と思ったんで,今回は「絶対,ゼッタイ勝ってやろう!!!」ってスイッチめちゃくちゃ入れて取ったら,気持ちだけが空回りして足肉離れしちゃいました…四番目以降も気持ちは入ってたんですけど,今度は足のスイッチが入らない感じで終わってしまいました。

(弟の)若隆景の三段目優勝は素直に,純粋に嬉しいです。先場所は村田(大学同期のライバル)に負けて5勝に終わってもったいないって思ってましたもん。周りからは「抜かされちゃうんじゃない!?」って急かされますけど,今の時点(幕下)では気にしてません。本当の勝負は関取昇進です。これは絶対譲れません。ここを渥(若隆景)に越されるのは「まてまてまてまて!!!」と。もし万が一そんなことになった日にゃあ,元春カツンです。スイッチが入るどころか,スイッチぶっ壊れちゃうんじゃないですか。

好きなおでんの具は竹輪麩です。

蒼国来 (前頭西8)5勝10敗

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